どうも、りょうです。
近年、健康志向ブームの流れなのか、時折目にする「有機」「オーガニック」の文字。
食品だけでなく、コスメでも様々な商品が出ていますね。
「無農薬」「有機」「オーガニック」、これらのそれぞれの意味や違いを、「何となく」で把握している気になっている方も少なくないのではないでしょうか。
今回は、これらのワードを中心に、野菜栽培に関する知識を紐解いてみましょう。
「無農薬」「有機」「オーガニック」の違い
概要
まず前提として、「有機」と「オーガニック」は同意語です。
日本での野菜の栽培は、以下の3種類に分類されます。
・慣行栽培・・・農薬や化学肥料を使用する、一般的な栽培方法
・有機栽培・・・農薬や化学肥料、遺伝子組換え技術を使用しない
・特別栽培・・・農薬や化学肥料の使用量が規定の50%以下に制限されている
無農薬栽培とは
一見、「全く農薬を使っていない」栽培、という風にも感じられます。
しかし実際は、「無農薬」という言葉は曖昧で、第三者機関による基準や規定がありません。
その表現が消費者に誤解を招くという理由で、2004年、農林水産省の「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」が定められました。
それにより、現在は「無農薬」「減農薬」などをパッケージに表示したり、商品説明に使用して販売することは禁止されています。
代わりに「特別栽培」という枠組みで、新たな表示が定められています。
慣行栽培とは
農薬や化学肥料を使用する、ごく一般的に流通している栽培方法です。
特に基準や規定がある訳ではなく、国の安全基準に則って農薬や肥料を使用する、世界で最も普及している現代の栽培方法です。
有機栽培(オーガニック)とは
農林水産省が2006年に定めた「有機農業推進法」により、以下のような定義がされています。
・化学合成した肥料及び農薬を使用しない
・遺伝子組換え技術を使用しない
・環境への負荷をできる限り低減する
「JAS規格」の検査を通り、有機JASマークの付いた商品が、正式に「有機農産物」として販売されています。
ただし、JAS認定の31種類の農薬が使用可能なので、完全な「無農薬」とは言えません。
特別栽培とは
農薬と化学肥料の使用を基準値以下に控えた野菜は、「特別栽培農産物」として認定されます。
いわゆる「無農薬」や「減農薬」という言葉に代わる、新しい広義の定義です。
例:
・「農薬:栽培期間中不使用」
・「化学肥料(窒素成分):当地比◯割減」
・「節減対象農薬(※):栽培期間中不使用」
※JAS規格で使用可能な化学合成農薬ではない一般的な農薬
「無農薬」という漠然として定義のないものより、このように決められた基準の中で具体的に表記されているのは、消費者としても分かりやすく、嬉しいことですね。
まとめ
「無農薬」「有機(オーガニック)」の違い
無農薬 | 有機(オーガニック) | |
---|---|---|
農薬 | 不明 | 指定のもの以外は不使用 |
国の基準 | なし | あり |
商品に表記 | 禁止 | 有機JASマーク |
「無農薬」は抽象的な単語、「有機(オーガニック)」は国の基準を通った表示、ということですね。
いかがでしたでしょうか。
この知識を持って、改めてスーパーの野菜売り場を回ると、色々と見えてくるものがあるかと思います。
少しでも、不安の少ない食生活が送れると良いですよね。